墨絵の世界
【制作過程】
描き方は人それぞれであるが、
ここでは1例を示す。
ギャラリー
@下絵
薄い墨で下絵を描く
A着物の柄
複雑な絵柄で濃い部分を描く
B帯と髪の毛
濃い部分を先に描く
C着物の柄(絞り)と琴
比較的薄い「絞り」絵柄を描く
D障子
遠近感を持たせた障子を描く
E全体の仕上げ
濃淡と立体感を強調
contents制作過程の紹介
- @下絵
- 主役となる娘の全体をラフに描くとともに、顔を忠実に表現。
娘を描いた後に、周辺の琴と障子を書き足す。
- A着物の柄
- 着物の裾の複雑な絵柄(比較的濃い部分)を体形に合わせて描く。
- B帯と髪の毛
- 人物の中で最も濃い色となる「帯」と「髪の毛」を描く。墨の性質から、重ね塗りをしても濃くならないので、最初から最も濃い墨の色で描くことがポイント。
- C着物の柄(絞り)と琴
- 「絞り」の柄は、着物の生地の色に対して白色となるが、作業を単純化するため、「絞り」の箇所を薄墨とした。「絞り」の雰囲気は出せていると思う。
- D障子
- 上村松園の絵では存在しない背景として、障子と、外に見える梅の木を追加。人物が宙に浮いた絵とならないように創作。
- E全体の仕上げ
- 仕上げは、数m先に絵を置いて、墨の濃淡のバランスを小修整する。また日本画には無い「人物の立体感」を、水墨画として陰影をつけて完成させた。